syoujikimonoの、
これまで
1997年3月
- 「PANTY」
- 京大西部講堂

詳細
出演 田中遊、石塚唯、柴田洋子、パンチ野本 他
正直者の会の第一回目の公演。「バビルの党」から立候補した世襲議員「バビル2世」とその周りのお話。京大西部講堂の天井から大量の風船が降ってくるというラストシーンでした。
5月
- 「ゴローを待ちながら」
- 京大吉田寮前焼け跡

詳細
出演 田中遊、石塚唯、よなたん常葉
野外劇でした。「魚人帝国」の方に櫓と客席を組んでもらって。ゴドー待ちをいじり倒して、最後は櫓の二階部分に仕込んだ大水槽から客席に向かって水がドバーって押し寄せたのでした。
12月
- 「真冬!吉田山を 歩こう会」
- 茂庵(吉田山山頂)

詳細
出演 石塚唯、堀川佳子、糸井邦良 他
京都に吉田山という小さい山がありまして。その麓に集合したお客さんを先導して山を登るというのが前半部分でした。15分ぐらいでしょうか?道中「お化け屋敷形式」でいろんな人が、待ち構えていまして、山頂の山小屋に着きますと、そこでようやく本編のお芝居が始まります。本編の方は、これでもかというぐらいに静かなお芝居で最後には山小屋の周りに雪を降らせました。
1998年12月
- 「イス」
- 茂庵(吉田山山頂)

詳細
出演 田中遊、石塚唯、桝谷雄一郎
三人の男と三脚のイスの為の演劇。
前年と同じく山の上の小屋での公演でした。「電車内」→「喫茶店」→「演奏会」→「ホームビデオ撮影」…と、三脚のイスを使ってそれっぽく見える数々のシチュエーションを横断しながら、三人の男が大遊び。とってもシンプルなフォーマットで以後の正直者の会の基本となった公演でした。季節柄、やっぱりラストは窓から見える京都の夜景にクリスマスソングで終幕。
1999年6月
- 「正直者の会からいくつかの質問」
- CBGB
詳細
出演 田中遊、桐山泰典、久保昇平、嶺瀬あゆき 他
「象の鼻はなぜ長い」?→「口が臭いからだ」というような始まり方でした。「動物園の像が死んだらばどうなるのかしら?」というような空想からできて行ったお芝居です。大っきな像は勿論あのサイズのまま焼却したり出来ぬわけですから「解体」されておるはずで、でもそれって想像したくないなぁというような。「この男とはもう別れなあかんわ」とわかってるのに、なんだかズルズル続いている女性の話なんですが、なんでか地域振興券とかルパン三世とかが出てくるのです。
2001年3月
- 「毛むくじゃら」
- アートコンプレックス1928

詳細
出演 田中遊、桐山泰典、黒木陽子(劇団衛星)、柴田洋子(HANAFUBUKI) 他
「イス」でやったような、俳優の体の組み合わせみたいなものだけで見える景色を繋いでいこう、ということを大人数でやったお芝居でした。シーンの数としては正直者の会のお芝居の中で一番多いかもしれません。それが最終的に「死の瞬間の直前の混濁する意識」として位置づけられゆきます。舞台奥に大きな半球のドームがあって、夕日に見立てたりしたのですが、最後それが開くと中でキラキラとメリーゴーランドが回っているという、なかなかの大仕掛けでした。
2002年1月
- 「イス」(再演)
- 東山青年の家
詳細
出演 田中遊、岡島秀昭(劇団衛星)、二口大学
俳優は2/3、台本は1/3、初演とは変わった再演でした。また自分よりも遥かにキャリアをお持ちの先輩演劇人とご一緒させていただくのはこの時が始めてでした。俳優の力量がそのまま作品の善し悪しになるという意味でシビアな作品ですが、その分、大好きな作品でもあります。
5月
- 「黙れ」
- アートコンプレックス
1928
詳細
出演 田中遊、岡島秀昭(劇団衛星)、北村成美、板橋薔薇の介(ニットキャップシアター)他
幕が開くとフルキャストが並んでおり「ありがとうございましたー!」といきなりカーテンコールから始まる。打ち上げで盛り上がったのもつかの間、劇団は危機に直面する。作演出家がとんずらこいたのだ。劇団員たちは、残された2ページ分だけを「笑える感じで」だの「静かな感じで」だのと試行錯誤する。そんななか「ハイテンション役者(バカ侍)」や「黒人ラッパー(B-banji)」などが、「作家からゲストで招聘された」と稽古場に訪れ、その度現場は大混乱。ついに座長は踊りだし、結局公演はどうなるだー!?というようなことでした。
2002年7月
- 「宇宙人クイズ」
- ライズワンシアター

詳細
出演 岡島秀昭、Fジャパン、黒木陽子(以上劇団衛星)、藤原大介(飛び道具)、田中遊
単独公演ではなくてライズワンシアターのイベントに参加した演目です。
言葉のわからない宇宙人に囚われた、5人の宇宙船のクルーたちが主人公。体の自由を奪われてステージに立たされ、何故かクイズを出されている。言葉は理解出来ないがどうやらこれは「テレビ番組」の様で、クイズに正解する度にクルーの体の自由が少しずつ戻ってくるルールになっているらしい。不正解が続き一切の体の自由を奪われたクルーたちは、なんとテレパシーを習得してそれで会話ができちゃう…
のようなことでした。30分程度の演目でしたが、最後5分程は俳優全員止まっていて、音響で「心の声」流しているというけったいな舞台でした。ちなみに藤原大介さんは始まって10分程で全身が固まってしまって20分ばかりそのままフリーズしてはりました。(もちろん事前に台詞をとって録音したものを流すわけですから、ただラクチンだというわけでもなく。また「止まってる」のって実はものすごく大変な作業なのです)くだらなくも印象に残る小作品でした。
11月
- 「ルールとマナー」
- アトリエ劇研
詳細
出演 田中遊、岡島秀昭、駒田大輔、Fジャパン(以上劇団衛星)、中村こずえ、谷伸一(電視遊戯科学館)
私たちの指針となるもの。私たちを規制するもの。突き詰めて考えると、それが「どうしてなのか」「どこまでオーケーなのか」判らないから、それなら!と、日々をスポーツとして捉えた目線から、そこにある「ルール」や「マナー」をちょっとずつゆがめてみる。剣道の竹刀が出刃包丁になり、夫婦喧嘩の言葉の応酬がテニスになり、四国が沈み、三人のデカ長がJAに挑む・・・ どうしてだかは判らないけれど、そんな事がしてみたくなって、してみたら、すっごく楽しかったのです
2003年2月
- 「トイレはこちら」(作 別役実)
- 京都芸術センター

詳細
出演 Fジャパン(劇団衛星)、谷弘恵(南船北馬一団)
京都芸術センターの「幸せな演劇」という企画に参加したものです。「トイレはこちら」はとっても笑える作品で、本当は僕が出演したかったのですが、断念しました。以後の「ラジカセを使った一人芝居」のきっかけとなったのがこの時の「台詞をおぼえるCD」でした。男女の二人芝居なものですから、相手の台詞を録音してそれをウォークマンなんかで聞きながら自分の台詞を返すことで、さっさと台詞を覚えてしまおうという試みだったのです。僕もついでに谷さんの声を聞きながら「男」の台詞を覚えたりしてたのですが、これがなんだか面白くて。ラジカセと話しているのに何故か本当に会話になったり、その次元がびりっと破けたり。谷さんとの出会いも含め実りの多い作品でした。
7月
- 「756」
- アトリエ劇研

詳細
出演 田中遊
CTTに参加させていただいた作品です。ラジカセを使った一人芝居のプロトタイプでした。この時は四台のラジカセ全てカセットテープでしたから、もう回によってのズレがすごくて、一旦停止ボタンを細かく何度も何度も押して四台を同期させながら芝居したのを覚えています。「もう芝居じゃない。でもいいや、おもしろいし」って感じた初めの事かも知れません。
11月
- 「メモリースイッチ」
- ニュートロン

詳細
出演 田中遊
20人も入れば満員のギャラリースペース。壁にかけられた作品に囲まれての公演でした。フライヤーも作ってもらいました。
その部屋に入ると中は薄暗く、そしてかすかに波の音が聞こえた。目が慣れて来るとそれが波の音ではなく、机の上に置かれたラジカセでなっているラジオのノイズなのだと分かる。
男は、部屋の中で立ち尽くした。
男は、部屋の中で倒れていた。
男は、動物園の事を思い出している。手を引いてくれた男の手を。バス停で手を振った男の手を。あの頃の自分と今の自分を繋ぐ人型のトンネル、あるいはチューブのなかに残されて来た「思い」達は今もそこで何を思っているのだろうか。刻一刻と更新される私。刻一刻と取り残される「思い」
役者が一人とラジカセ4台。田中遊が、ラジカセ達からこぼれてくる記憶(記録)と混じりあうソロパフォーマンスです。
2004年2月
- 「残り火」(作 サミュエル・べケット)
- 京都芸術センター
詳細
出演 田中遊
「残り火」はラジオドラマの為に書かれた台本だそうです。波の音がしているどこかで、男が一人ぽつりぽつりとしゃべる。波の音に混じって男の記憶や妄想も聞こえてくる。ラジカセを使ったパフォーマンスをしていたものですから、「これだ!」とばかりに飛びついてみました。一人芝居のつらさをいや程味わった作品でしたが、「ラジカセ芝居」というのは以外と汎用性があるぞ、と思えた作品でもありました。テレコのカセットテープが再生され切って「パスっ」と音を立ててボタンが上がり、暗転して行く、というのは、とっても大好きなラストシーンです。
3月
- 「愛玩動物」
- アトリエ劇研
詳細
出演 大木湖南、西恵(以上ニットキャップシアター)、田中遊、谷弘恵(南船北馬一団)、本多力(ヨーロッパ企画)
狂牛病の言葉たちへの感染は静かに進んでいった。各地での「同時多発あー」は激しさを極め、政府は言葉の検査管理の厳格化、全頭処分を決定する。「闇 詩のボクシング」会場で人々は密かに言葉を語りつなぐのだった・・・。
中原中也「春日狂想」を背景に、様々なコトバが踊って消えて・・・。きっと語り得ぬからこそ「語ろう」とする人々。傍らに置いたラジオから「地球最後の曲」がかかっていた。
8月
- 「残り火」(作 サミュエル・べケット)
- 京都芸術センター

詳細
出演 二口大学
同年の二月にやった演目を二口さんに出演していただいて再演しました。コンペティションには落ちてしまったのですが、この「残り火」を見られた(初演時は出演しちゃってるものですから見られないのです)のは嬉しい出来事でした。
2005年1月
- 「その光の加減で 誰かを 思い出しそうになる」
- アトリエ劇研
詳細
出演 田中遊 岡嶋秀昭(劇団衛星)
例えば冬の夕方。長く伸びるビルの影から日向に足を踏み入れたあの瞬間。ふいに思い出しそうになって、でもはたして思い出すことのなかった『誰か』。
さがしてみよう、よく見る夢で。散歩の最中のふとした思いつき。すれ違いざまに聞こえたカップルの会話。どうしても折り曲げてしまう電車の切符。そんな物たちの中を・・・。
ノンカット「散歩映像」を背に、二人の[私]は思い出したり思い出されたり・・・
5月
- 「578」
- アトリエ 劇研

詳細
出演 谷弘恵(南船北馬一団)、本多力(ヨーロッパ企画)、藤原康弘、広田ゆうみ
CTTに参加させていただいた作品です。この翌年に公演した「円卓」のプロトタイプでした。円卓の一番面白い部分はもう既にこの時できあがっていたのかもしれません。「戯声(→「manner」へ)」の萌芽といいますか、「何かを読む、語る。その事で模様パターンを作って行く」ということの始まりがこの作品でした。
10月
- 「メモリースイッチ」(再演)
- 芸術創造館
詳細
出演 田中遊
ギャラリースペースから一般の劇場へとスケールを大きくしての再演でした。初演時にはあまり使わなかった照明効果が足されて、とても奇妙なパフォーマンスになったのでした。
その部屋に入ると中は薄暗く、そしてかすかに波の音が聞こえた。目が慣れて来るとそれが波の音ではなく、机の上に置かれたラジカセでなっているラジオのノイズなのだと分かる。
男は、部屋の中で立ち尽くした。
男は、部屋の中で倒れていた。
男は、動物園の事を思い出している。手を引いてくれた男の手を。バス停で手を振った男の手を。あの頃の自分と今の自分を繋ぐ人型のトンネル、あるいはチューブのなかに残されて来た「思い」達は今もそこで何を思っているのだろうか。刻一刻と更新される私。刻一刻と取り残される「思い」
役者が一人とラジカセ4台。田中遊が、ラジカセ達からこぼれてくる記憶(記録)と混じりあうソロパフォーマンスです。
2006年2月
- 「円卓」
- Art Theater dB
詳細
出演 谷弘恵(南船北馬一団)、本多力(ヨーロッパ企画)、藤原康弘、広田ゆうみ、乾武士、金明玉(劇団メロディアスメロン)
世界の何処かに在る円卓に6人の男女が集まって来る。6人の「他人」。
「私」と「あなた」を。「女の日記」と「聖書」を。「立場」や「感情」や「暴力」を。お互いに交換しながら、言葉を出す6人。
一組の男女の「過去」「現在」「未来」「空想」でもあり、また同時に一人の「私」でもある彼、彼女らの声が、やがて円卓上で奇妙な模様を描きはじめる。
8月
- 「12分」
- OBP 円形ホール、松下IMPホール
BLACKCHAMBER
詳細
出演 田中遊
ラジカセ一人芝居の「メモリースイッチ」よりの抜粋。…と行ってしまうと語弊があるのですが、タイトル通り12分ジャストの作品で広島や三重などいろんな所で上演させていただきました。「軽い」のです。時間はもとより、しつらえが。ラジカセ4台と僕がいれば充分ですし、パイプイス4台貸していただければ言うことはなし!まだまだいつでもできますので、呼んでください(笑)正直者の会の唯一のレパートリーです。
2007年3月
- 「非常口」
- アトリエ劇研
詳細
出演 田中遊、豊島由香(TARZAN GROUP)
「その部屋」で、女は童話「青い鳥」を読んでいる。「その部屋」で、男はだらしなく寝ている。
それぞれの「その部屋」は別個にあって、場所だけでなく時間も違うかもしれない。真ん中にあるテーブルだけが、そのどちらもに共通し、そのテーブルの上で、二人の「出会い」や「別れ」や「事件」や「生活」だけが重なり合う・・・
「メモリー・・」のラジカセと「円卓」の朗読との手法が初めてミックスされた意欲的な作品です。
2008年3月
- 「届かない所」
- 精華小劇場
詳細
出演 田中遊、豊島由香(TARZAN GROUP)、藤原大介(劇団飛び道具)、岡嶋秀昭、朝平陽子
デイケアー
の歓送迎バス。運転手は男。
毎朝、顧客であるところの老人の家の前にバスをつけ、その日の当番の介護士と二人がかりで老人をバスに乗り込ませる。と次の老人の家へ。数軒回って、数人の老人を積み込んで、それからバスはセンターへ。夕方はその逆。あの朝の当番は坂本さんという、少し太ったでもとてもチャーミングな、つまりは老人うけのよい、三十前の女のヘルパーだったっけ。いつもどおりに家々をめぐって、あの山際に建ってる団地で、最後のお婆さんを乗せたんだ。
私は開いているドアの前で立ち止まる。バスの内側の手すりを掴もうと、支えている女の手を離す。腕に通していた巾着袋。緑色。が、地面にポテッと落ちる。中身が散乱する。拾い集める坂本を残し、ドアは閉まり、バスは走り出し、夜の高速を、朝の海岸沿い通りを。いくつか国境を越えて、七人の老人を乗せて
2010年1月
- 「plant」(劇研アクターズラボ)
- アトリエ劇研

詳細
出演 板倉真弓、渋谷善史、下野優希、古野陽大 他
劇研アクターズラボが「一年サイクル」になってから一回目の公演でした。それまでは半年で僕が演出をして一本のお芝居をつくっていたのですが、この回からは脚本も担当させていただくことになったのでした。「円卓」やら「メモリースイッチ」やら、確かなストーリーのラインというものが見えにくい脚本ばかり作っていたものですから、劇研さんから「ストーリーがわかりやすいのね。」と釘刺され、出来上がったものは、なんというか自分でも想像がつかなかったような柔らかいものになりました。死んでしまった男の人と、生まれてくる前の女の子が、世界の一歩手前の「工場」で出会い、分かれて行くお話です。
11月
- 「スナップ/スコップ」
- 西陣ファクトリーgarden(京都)、津あけぼの座(三重)
写真撮影:西岡真一
詳細
出演 田中遊、豊島由香、朝平陽子、古野陽大
「戯声シリーズ」の第一弾でした。(→「manner」へ)
「コップに入れられた砂」と「砂の入ったコップ」は、密接し、ある「接面」を作り出しています。写真では輪郭線として見つけられるものです。それは「砂のカタマリ」の一番外側であるともいえるし、コップの一番内側ともいえます。じゃあ、その輪郭線は「砂」であるのか?「コップ」であるのか?おそらくそれはどちらでもない。だとすれば、この世界には「存在しない」ものなのです。又あるいは「どちらでもある」「砂でもあり、コップでもある」。のかもしれない。とするとつまり、この世界に「二重に存在する」物なのかもしれません。
表題『スナップ/スコップ』含む小作品集
2011年1月
- 「恋愛論」(劇研アクターズラボ)
- アトリエ劇研

詳細
出演 板倉真弓、渋谷善史、下野優希、古野陽大、治田絵里子 他
男女比がちょうど7対7になったものですから、こんな事でもないと書かないであろう「恋愛」について書いてみようと思ったのです。台本に先立って「恋愛とは何か?」という論文、つまり恋愛論を書きまして、そこからそれをなぞるように演劇を立ち上げて行きました。七組の男女のそれぞれの恋模様を通して、[恋愛ってなんだろう?」ということを見ながら考えられて、でも最後ちょっとほろっとしてという作品です。僕としては是非いつか再演したい演目です。それぐらい気に入っていると同時に、それぐらい「僕がやってみたい役」がでてくる作品なのでした。
5月、7月
- 「設計 ー 発掘」
- 西陣ファクトリーgarden(京都)
詳細
出演 田中遊、豊島由香、朝平陽子、古野陽大//(7月のみ)岡嶋秀昭、竹ち代毬也
「戯声シリーズ」の第二弾でした(→「manner」へ)
未来と過去とが「等価」であるような世界を思いました。そこでは時間が折り畳まれていて、「まだ無い想像されたもの」が発掘され、また「過去の思いで」が設計されるような世界。きっとそれは幼い子供が生きている世界で、多分僕たちも(幸運にも歳を重ねることができるなら)年老いてぼんやりとした意識で眺める世界だと思うのです。子供の頃に人形なんかにビー玉やお花などの「副葬品」を添えて水道のメーターのボックスに入れたような記憶があって、それが広がって行ったような作品でした。
2012年1月
- 「白(地図ー旗)」(劇研アクターズラボ)
- アトリエ劇研
詳細
出演 板倉真弓、岡崎信幸、渋谷善史、下野優希、のりす、治田絵里子、古野陽大 他
劇研アクターズラボの三年目、最終年の公演でした。このメンバーでしかできない、最高の作品になりました。
主婦ア川A子さんと「ダンナ」の間には子供がいません。「ダンナ」が外国に出張している間、A子さんはバイト、「地図を作るお仕事」を始める事に。助手としてつくことになったのは「師匠」イトイさん。自分の居場所、現在位置の測量をしなきゃな・・・なんてぼんやりA子が考えている間にイトイさんが「地図の切れ目」から「裏側の世界」へ滑り込んでしまいます。A子はイトイさんを探す事になり・・・
「戯声」の要素をたっぷり入れながら、且つ大人数での身体性を活かしたシーンの見せ方など。すくなことも「発表公演」の域では無い公演でしたし、その後「正直者の会.lab」として活動して行こうと決心するに至った公演でした。
7月
- 「代理人/代理人」
- 西陣ファクトリーgarden
詳細
出演 田中遊、豊島由香、朝平陽子、古野陽大、のりす
戯声シリーズ三弾目。→「manner」へ)「代理人」のお話。代理人は「代理」であるからして決して「本人」ではない。しかしその「代理」という行為はそれが正確に精密になされるほど「本人」と見分けがつかなくなる。極めて有能な「代理人」は、その有能さ故に「本人化」してしまい、いつの間にかいなくなってしまう。だとかいうようなアイデアから、膨らませて行った作品です。戯声シリーズは基本的に7分〜15分ぐらいのブロックを連続させる構成ですので、ミュージシャンのコンサートに近いのかもしれません。「演劇」というよりは、そんな風にあろうと思って作った始めての作品でもありました。→更に詳しく「過去の公演ページ」)
11月
- 「ライトスタッフ」(正直者の会.lab)
- アトリエ劇研

詳細
出演 板倉真弓、岡崎信幸、渋谷善史、下野優希、のりす、治田絵里子、古野陽大
「正直者の会.lab」としての記念すべき初めての公演でした。
「照明家」のお話です。映画「アメリ」をご存知でしょうか?あの中に主人公の女性アメリについているプロンプターというものが出てきます。プロンプターというのは、役者が台詞を忘れた時に陰からそっと台詞をつぶやいて教える役割なのです。アメリが言葉に詰まると、排水溝からそっと台詞を教えてくれる。それはアメリの空想の産物なのかもしれないのですが・・・。何せそういう「照明家」の話です。
私たちそれぞれの、「日々の生活」に光を当ててくれている「照明家」が「世界の裏側」にいて、彼らが働いてくれているおかげで、僕らの世界は光にみち、音に溢れているのではないかしら?照明家だけじゃなくて、音響家も美術家もそこにはいるはずです。
新米ペーペーの照明家「アキラ」が、照明家としての「ライトスタッフ」=「正しい資質」を獲得して行く物語なのです・・・・
2013年7月
- 「日曜月」
- 西陣ファクトリーgarden
詳細
出演 朝平陽子・板倉真弓・木村雅子・田中遊・浜田夏峰・竹ち代毬也
戯声シリーズ。トランク企画(インプロユニット)の木村さん浜田さんを迎えて、「即興性」という方向に大きく舵を切った企画でした。とにかく僕たちは「言葉を話す」ということでもってその場を満たしえる。そうあるべきだという思いを更に強くした公演でした。
日曜日と月曜日のちょうど中間地点の朝。あるいは日曜日でも月曜日でもある「曜日」のできごと。慌てなきゃならないようで、でものんびりしていて。そんなときの不思議な出来事、考え事のお話。
11月
- 「夜の素」(正直者の会.lab)
- アトリエ劇研
詳細
出演 板倉真弓、渋谷善史、下野優希、のりす、治田絵里子
「正直者の会.lab」第二回公演です。
”むかしむかしある小さな港町に一人の少女がいました。毎日の夕方、西の空に日が傾き、町の誰もが海に沈んでいく美しい夕日に見とれているその間に。その少女はこっそりと町の、東の丘に登るのでした。丘の頂上につくと少女はカバンからちょうど角砂糖ぐらいの大きさの黒い塊をつまみだします。それは「夜の素」でした。少女は夜の素をかごの中に入れて、自分の頭の上で揺すります。するとまるでティーバッグから紅茶が広がっていくようにして「夜」があたりの空気に溶け出していきました。夜は、東の丘からどんどんと空いっぱいに溶けて広がり、いつの間にか町は、真っ暗な夜に包まれるのでした。”
ファンタジックと見せかけて、なんだか「どんづまり」な人達のとある一夜のお話でした。
後日、脚本は第21回OMS戯曲賞の佳作に選んでいただきました。
2014年5月
- 「戯式vol.1」
- 西陣ファクトリーgarden+津あけぼの座スクエア
詳細
出演 田中遊・guest 浜田夏峰(京都公演のみ)
「お芝居仕立てのなにか」あるいは「何か仕立てのお芝居」。もっと言うと「田中遊仕立てのなにか」「何か仕立ての田中遊」という範囲(フィールド、空き地)で探検をしてみよう。そんな思いで再始動した、田中遊ほぼ一人舞台。ラジカセを使った一人芝居?ラップ?リーディング?の3本のオムニバス。プラス、ゲストコーナでした。
「缶詰」「会議」「石/君のこと(ゲスト浜田夏峰)」「しずく」
7月
- 「石/君のこと」
- 西陣ファクトリーgarden
詳細
出演 朝平陽子・板倉真弓・木村雅子・田中遊・浜田夏峰・竹ち代毬也・のりす
まるでそれはトランプのジョーカーのように…
世界の中のあらゆるものに、何にでも姿を変える「石」。それはおとぎ話の中の話ではなくて、ほんの少し前のこと。子供の頃に握りしめたあの「石ころ」を、今僕たちももう一度握ってみようと思うのです。石にほんの少し僕たちの体温が移ります。そうしたらほら、少し柔らかくなって…
正直者の会「戯声」スタイル。「石」にまつわるいくつかの景色です。
9月
- 「戯式vol.2」
- ウイングフィールド(大阪)
スペースイサン東福寺(京都)
詳細
出演 田中遊 guest 竹ち代毬也
早くも一人芝居第二弾!トランク2つと机を背負ってドタバタと、大阪、京都、それぞれ一夜、ワンステージの公演でした。
「マニキュア」、「会議2」、ゲストコーナーにはダンサー竹ち代毬也さんを迎え、「ずれて行く会話、時間」を使ったセッション。本公演では10分強のサイズであったが、きちんとした長い作品にしようと二人で大いに盛り上がり、最後はvol.1でもやった「しずく」。
[戯式]という企画の方向が随分と明確になった公演でした。
11月
- 「キーを忘れた老婦人」(正直者の会.lab)
- アトリエ劇研
詳細
出演 板倉真弓、渋谷善史、下野優希、西村麻生、のりす、治田絵里子
島田は疲れていた。彼が何百回チャイムを押しても人が出てくる気配はない。肩を落として立ち去る前に彼にはやることがある。「マーキング」だ。それは訪問販売員や空き巣たちの暗号。その家の家族構成、在宅時間といった情報が玄関のドアや表札の隅にこっそりとマジックペンやひっかき傷で記されている。その家のポストにも、よく見ると壁面に「暗号」がびっしり。まるで呪文が書き込まれた宝箱のようだ。その隅っこに呪文を書き足すと深くため息をついて島田はマジックのキャップを締めた。
次の瞬間。ガタガタッと音をたててポストが大きく震え始める。耳をつんざく轟音に続いて家自体が激しく黄金に輝きだして彼は眩しさに目を覆い腰を抜かしてその場にしゃがみ込んだ…
再び目を開けた時、光りは収まっていて、そして玄関のドアが半分開いていた。
「何やってるの、そんな所で?」
ドアから体を出した老婦人が尋ねる。彼は言葉が出て来ない。
「入って早く」
そう言うと彼女はドアの向こうに姿を消す。招かれるまま彼は家の中へと入っていく…
正直者の会.lab三年目の今回は「キー」にまつわるファンタジー。その中で家族の記憶をそおっと保管している一軒の家の物語でした。
2015年4月
- 「戯式vol.3」
- 西陣ファクトリーgarden
詳細
出演 田中遊・guest ファックジャパン(劇団衛星)
俳優1人、ラジカセ4台。 <芝居?詩の朗読?ラップ?> それぞれ個性的な田中遊一人作品と、ゲストコーナーを詰め合わせました。
「缶詰」「会議3」「アイドリング(ゲスト/ファックジャパン)」「パトカーがくるまでの15分間(ルーパー1)」
5月
- 「戯式vol.4」
- アトリエ劇研(京都)/津あけぼの座(三重)
詳細
出演 田中遊・guest 桐山泰典(京都)田中みな(三重)
俳優1人、ラジカセ4台。 <芝居?詩の朗読?ラップ?> それぞれ個性的な田中遊一人作品と、ゲストコーナーを詰め合わせました。
「鉛筆削り」「会議3」「子ほめ(京都ゲストコーナー)」「もち/つき(三重ゲストコーナー)」「パトカーがくるまでの15分間(ルーパー1)」
7月
- 「石/君のこと」(再演)
- 西陣ファクトリーgarden

詳細
出演 板倉真弓・木村雅子・桐山泰典・田中遊・浜田夏峰・のりす
まるでそれはトランプのジョーカーのように…
世界の中のあらゆるものに、何にでも姿を変える「石」。それはおとぎ話の中の話ではなくて、ほんの少し前のこと。子供の頃に握りしめたあの「石ころ」を、今僕たちももう一度握ってみようと思うのです。石にほんの少し僕たちの体温が移ります。そうしたらほら、少し柔らかくなって…
正直者の会「戯声」スタイル。「石」にまつわるいくつかの景色/去年に続いての再演でした。
11月
- 「ともし火が炎となって魔女を焼く」(正直者の会.lab)
- アトリエ劇研
詳細
出演 板倉真弓、渋谷善史、下野優希、のりす、治田絵里子、白江咲子 藤代耕平 松永将典
私=タエコは保育園に通っている。
土曜日の午前。団地の集会所で魔女たちが熱心に「天国で元気でいられる呪文」を唱えている。
死んだのは私のおばあちゃんで「実はおばあちゃんも魔女だったんだよ」とお父さんは微笑んで言った。私は、白黒のシマシマの幕と、壁との間に 潜り込む。白 魔術と黒魔術。団地の児童公園のど真ん中に立つ立派なケヤキの木を巡る良い魔女たちと悪い魔女(よしみちゃん)との確執は、団地の自治会を巻 き込む騒動へ と発展する。「切り倒すべきか?残すべきか?」頭を抱える会長さん。でもそんなこと関係なく私たちは今日も鬼ごっこと魔女ごっこ。が、混じり 合って撹拌さ れて大人には想像もできないマーブル模様の世界が現れる。
そう。私はブランコに乗る。力一杯漕ぐ。そして公園に「東北から来た男」がやって来た。
「死んだらどうなるんだろうねぇ?」
「私知ってる」
「?」
「死んだら人は名誉部長になるの」
大人の事情と子供の詩情が混じりあった「割り切れない」お話です。
2016年1月
- 「戯式vol.5」
- アトリエ劇研
詳細
出演 田中遊・guest 豊原エス(詩人)+かんのとしこ(アコーディオン)
俳優1人、ラジカセ4台。 <芝居?詩の朗読?ラップ?> それぞれ個性的な田中遊一人作品と、ゲストコーナーを詰め合わせました。
「会議1」「ゲストコーナー×2」「スタンドバイミー」
5月
- 「録音と生活」
- アトリエ劇研
詳細
出演:岡嶋秀昭 浜田夏峰
「今を生きる」とか「この一瞬を大切に」等、とかく「今」というものは特権的待遇を受けがちだし演劇においてはより一層その傾向は強く「再現ができない→今ここにしかない表現」のようなことを耳にタコができるほど聞いてきた。でも。その「今」というのはどこにある?「ここだ!これが今だ!」と誰かが答えた瞬間に、既にその「今」はもう消滅している。歴史上これまで世界の誰一人として「今」を捕まえた者はいない。つまり「今」というのは幻想かもしれないのだ。
出演者のお二人にご協力いただいた実生活での録音声をコラージュして本番の舞台上に新しい「時間」を作り上げました。
6月7月
- 「戯式vol.6」
- <松山>シアターねこ <広島>山小屋シアター <京都>アトリエ劇研 <三重>津あけぼの座

詳細
出演 田中遊・guest 広田ゆうみ(京都公演)
俳優1人、ラジカセ4台。 <芝居?詩の朗読?ラップ?> それぞれ個性的な田中遊一人作品と、ゲストコーナーを詰め合わせました。
四都市回らせてもらって凄く凄く楽しくて素敵な戯式でした。お世話になりましたぁ。
「缶詰」「会議1」「会議2」「有線の星」「スタンドバイミー」「古事記朗読(ゲストコーナー)」
11月
- 「私と本屋の嘘」(正直者の会.lab)
- アトリエ劇研
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出演 板倉真弓 渋谷善史 下野優希 竹内香織 治田絵里子 三鬼春奈 森弥苗
嘘はやさしい。
嘘はむずかしい。
私が病室のカーテンを開けると母のベッドはもぬけの殻だった。トイレにでも行ったのだろうか。枕元には一冊、赤い分厚い本が置いてある
「…死ぬまでに後何冊の本を読むのだろう…?」
私はその本を拾い上げて丸椅子に腰をかける。重厚な趣の表紙をゆっくり開く。「ギギギ…」と古い木の扉が開くような音が聞こえた。
萬丸書店は今再び危機に瀕している。二十数年前、沈没寸前だったこの店を救ったのは出版界「伝説の男」。しかし彼はもういない。
「意地と見栄とは船の帆だ。張らなきゃ前には進まない」
後を託された書店員クルーたちは頭をひねる。この出版不況の嵐をなんとか「嘘」で乗り切れやしないだろうか…。
私と書店の嘘が朝顔のツタのように巻き付き合いながら上へ上へと伸びて行く。光りを求めて。
2017年2月
- 「戯式vol.7」
- アトリエ劇研
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出演 田中遊・guest 豊島由香
俳優1人、ラジカセ4台。 <芝居?詩の朗読?ラップ?> それぞれ個性的な田中遊一人作品と、ゲストコーナーを詰め合わせました。
念願の「道案内」の舞台化。ゲストの豊島さんとは久々セッション。そしてルーパーはより詩的な仕上がりでした。
「道案内」「かえるのうたがきこえてくるよ(ゲストコーナー)」「重なる朝」
7月
- 「アトリエ/あのいえ」
- アトリエ劇研
詳細
出演:浜田夏峰/ファックジャパン(劇団衛星)
諸江翔大朗(ARCHIVES PAY)/田中遊
聞いたことない世界が回りだす。
正直者の会最後の劇研公演。戯声にルーパーを導入した正直者の会の「集大成」といえるパフォーマンスでした。
11月
- 「日本難民」(正直者の会.lab)
- スペース・イサン
詳細
出演:鼬、下野優希、治田絵里子、竹内香織、佐伯理紗
《もう無い。それでも生きていく。》
日本国が無くなったしばらく後。とある国のとある町の小さな日本食レストランに数人の「旧日本人」たちが集まっている。難民キャンプの人々のまとめ役の女。北部のキャンプから最近移って来た女。この国の男性と結婚し子供もおり帰化している女。キャンプを出て生活を始めた兄妹、兄は仕事がないとぼやき、妹は生き甲斐がないとため息をつく。彼女たちは食堂のイスに座って机に沢山乗ったアプリコットのヘタをとっていく。梅干しの代用品の「アプリコット干し」を作ろうというのだ。それぞれ微妙に立場が違う彼女たち共通の目下の悩みは「シソが無い」ということだ。「酸っぱさ」はクエン酸でまかなうにしても、シソが手に入らないと実が赤くは染まらない…。赤くなくてもいいか…?いや染まった方がいいのかな?朱に交われば赤くなる?郷に入っては郷に従う?住めば都?
「失って 初めて気づく 愛国心」
誰かがそんな川柳を詠む。
北部から来た女性が『日本語のラジオ番組を作りたい」と提案する。
ド直球のカイワゲキでした。
2018年1,2月
- 「戯式vol.8」
- <大阪>ウイングフィールド <三重>津あけぼの座 <愛媛>シアターねこ <広島>山小屋シアター
詳細
出演 田中遊
俳優1人、ラジカセ4台。 <芝居?詩の朗読?ラップ?> それぞれ個性的な田中遊一人作品と、ゲストコーナーを詰め合わせました。
四都市公演はvol.7で作った「道案内」と「重なる朝」を再演。強度がぐっとまして「端正」な仕上がりになりましたー。
「道案内」「会議4」「重なる朝」
7 月
- 「耳で楽しむ古事記〜<上巻>連続上演」
- カフェギャラリーときじく
詳細
現代語訳/料理/解説:橘雪子
出演:田中遊、広田ゆうみ
演奏:行灯社:
《日本の神話、一挙上演。》
この世界の始まりからイザナギイザナミ。アマテラス、スサノオ、オオクニヌシから初代天皇の登場まで。おおらかで残酷な単純でミステリアスな日本の神様たちのエピソード=古事記上巻を朗読パフォーマンスで一挙連続上演。古事記にちなんだお料理と素敵な音楽もご一緒に、いにしえの物語を堪能する一週間でした。古事記朗読ワークショップ、勾玉作りワークショップ、行灯社のミニコンサートなどイベントも同時開催しました。
2019年2月
- 「戯式vol.9」
- <三重>津あけぼの座 <大阪>ウイングフィールド <愛媛>シアターねこ <京都>人間座スタジオ

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出演 田中遊
俳優1人、ラジカセ4台。 <芝居?詩の朗読?ラップ?> それぞれ個性的な田中遊一人作品と、ゲストコーナーを詰め合わせました。
Fジャパンさんをゲストに迎えた「会議5」は歴代最高の面白さでした。「その光の加減で誰かを思い出しそうになる」は同じタイトルの二人芝居があるのですが、同じ出発点から、全く違う一人芝居が出来上がりました。京都公演では「ルーパーワークショップ」も実施して、盛りだくさんな公演でした
「会議5」「その光の加減で誰かを思い出しそうになる」「タイプライター」
2020年2月
- 「戯式vol.10」
- <三重>津あけぼの座 <大阪>ウイングフィールド
詳細
出演 田中遊
俳優1人、ラジカセ4台。 <芝居?詩の朗読?ラップ?> それぞれ個性的な田中遊一人作品と、ゲストコーナーを詰め合わせました。
ルーパー朗読パフォーマンス「ボソボソ風」は、自身とっても気に入っている作品です。またおなじみ「会議」がついにiPadを使った動画ネタになりました。
「ボソボソ風」「会議 the movie」「タイプライター(2)」
5月〜(継続中)
- 「演劇」を巡るフィールドワーク

詳細
《謎に包まれた古代の風習「演劇」を現代に再現する》
私たちの研究対象は「演劇」です。この耳慣れない言葉「演劇」とは一体なんであったのか?今日ではすっかり謎に包まれています。宗教的儀礼だったのか?生活風習なのか?祝祭行事?遊戯?修行?教育?…ですがこういった分類というフィルターは往々にして私たちの目から物事の真実を覆い隠し見誤らせる。むしろそういった枠にはめ込むことなくありのままの「演劇」に触れようとすることが重要だと考えます。<「演劇」を巡るフィールドワーク>では「演劇」に関する様々な資料の収集、分析、人々からの聞き取り調査に加え「演劇」の再現実験にも積極的に取り組んでいくつもりです。
「演劇」を巡るフィールドワーク ホームページ
2021年3月
- FAE公開「演劇」再現実験『古事記 黄泉比良坂』
- 元淳風小学校 理科室
詳細
出演:F・ジャパン 合田有紀 野村香子 下野優希 田中遊
映像出演:広田ゆうみ 迫晃太朗 松浦旦季
謎に満ちた古代の風習「演劇」を現代に蘇らせる 古代、人々が盛んに行った「演劇」という風習があった。しかしそれは歴史の中でまるで蒸発するように姿を消してしまった。今日「演劇」を知れる手がかりはとても少ない。FAE(=「演劇」を巡るフィールドワーク)ではこれまで資料の収集分析もさることながら実際に野山に分け入って「演劇」再現実験を積極的に行ってきた。今回ついに念願の一般の方立ち合いのもとでの「公開」演劇再現実験を実施する。実験会場に理科室をお貸しいただいたく淳風校は明治2年に産声を上げ約150年間幾多の子供達を迎え入れ送り出し2017年廃校となった。その一年後2018年、京都市大原の更に奥の百井集落にある小さな小さな小学校「大原小学校桃井分校」が廃校となった。(百井分校はFEAリーダー沢渡謬の母校)共に明治からの長い歴史を持ち今は廃校になった淳風校と百井分校。今回の実験では資料からこの二つの学び舎の歴史や思い出を蘇らせ、それを導火線として同じく滅んでしまった「演劇」を見つけ出し「ヨミガエラス=黄泉がえらす」この国の歴史上のいつかしらには存在し、いつの間にか滅んでしまった「演劇」探すために私たちはこの世界の始まりにまで時間を遡上するべきだろう。古事記、イザナギが妻イザナミを追って向かった黄泉の国から地上へ帰るエピソード「黄泉平坂」をおいて今回の実験にふさわしいモチーフはないと確信している。
11 月
- FAE 公開「演劇」再現実験2.0「卒塔婆小町」
- theatreE9kyoto
詳細
出演:
野村香子 合田有紀 門脇俊輔(ニットキャップシアター/ベビー・ピー) 岡本遼
映像出演:菱井喜美子(人間座) 下野優希
演出:田中遊
音楽:増田真結
古語監修:橘雪子
舞台監督:渡川知彦
照明:川島玲子
「小野小町」に迫る。 今でいうサンプリング、ライミングは和歌の屋台骨だ。「本歌取り/押韻/掛詞…」古今和歌集(905年)に収められた歌たちは先行する万葉集や漢詩を引用参照リスペクトしている。 「わびぬれば身を浮草の根を絶えて誘ふ水あらばいなんとぞ思ふ」 (根のない浮き草のようなわびしい身の上の私は、誘ってくれる水があるならどこへなりとも流れて参ります) 小町のこの歌も漢詩の影響を受けておりそしてまた4~500年後(1300年代)に謡曲_卒塔婆小町に本歌取りされる。シテ=乞食の老婆(小野小町)の第一声 「身は浮草を誘ふ水なきこそ悲しかりけれ。」 「誰も誘ってくれない悲しさ」は「老婆の今」だけでなく「若く美しく誘いが引きも切らなかった過去」にも同時に響いている。後半、老婆が「深草少将の亡霊」に体を乗っ取られて苦しむ。これは決して「少将の心臓発作(?)」の苦しみではない。これは「人恋しい」苦しさで「老いた小町」と「深き恋が報われぬ深草少将」同時に響いている。言葉、音はそのままに、それが響く音場(Sound Field)が多次元空間になっている。<多次元の響き>は聞いた者を多次元へと抱え上げ魔術的な浮遊感を与える。その為に本歌取り押韻はある。その為に亡霊は乗り移る。しかし三島由紀夫は近代能楽集「卒塔婆小町(1956年)」であえて「憑依」を取り入れなかった! …>漢詩>和歌>謡曲>三島>… 常人には感知し得ない多次元空間で響く音に耳を澄ませその核となる一音を採集しよう。三島が<憑依>を取り入れなかった理由もそこで明らかになる。 「花の色は花の色は移りにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに」 移ろう千年以上を生きながらえ「和歌」「能楽」「秋田小町」「赤道小町」「太陽のKomachi Angel」…。引用され剽窃され彩色され進化し偏在する「小野小町のミーム」の呼吸音に。今じっと耳をそばだてる。 ………
12 月
- 「戯式vol.11」
- 津あけぼの座

詳細
出演:
野村香子 合田有紀 門脇俊輔(ニットキャップシアター/ベビー・ピー) 岡本遼
映像出演:菱井喜美子(人間座) 下野優希
演出:田中遊
音楽:増田真結
古語監修:橘雪子
舞台監督:渡川知彦
照明:川島玲子
今回は、これまで十回と趣を変えましてオムニバスではなく1本勝負でした!2022年以降も継続中の朗読会。安部工房「箱男」。複雑怪奇にして麻薬的な魅力を持つこの長ず編小説。その世界の一部を段ボール箱に「入って」お届けしました。
2022年2~7月
- 箱をかぶって「箱男」朗読会(全6回)
- カフェギャラリーときじく
詳細
安部公房「箱男」
演出、朗読:田中遊
ようこそ仮面朗読会へ!コロナ禍が産み落とした「鬼っ子」形態=「朗読する役者も、聞く観客も!それぞれ全員頭から段ボール箱を被っての朗読会」。飛沫感染対策は万全。朗読する小説はもちろん安部公房の「箱男」。そもそも朗読される機会の少ない長編小説にして複雑怪奇な構造と麻薬的な魅力を持つこの小説を全六回にわけて通読しました。
今後も箱男朗読、続けていきたいと思っています。詳細は企画ホームページをごらんください!
→→箱をかぶって「箱男」朗読会ホームページ
12月
- 箱をかぶって「箱男」朗読会
- 三重_津あけぼの座
大阪_ウイングフィールド
詳細
安部公房「箱男」
演出、朗読:田中遊
京都に続き三重と大阪でも狂気の朗読会を再び。詳細は企画ホームページをごらんください!
→→箱をかぶって「箱男」朗読会ホームページ
※以上、正直者の会の全ての作品の演出と(作)の表記の無いものの劇作は田中遊がおこないました。
田中遊の、おもな出演作品
演劇
2000年5月
- 劇団衛星
- 「千年王国の避難訓練」
- 作演出 蓮行
2001年12月
- 劇団衛星
- 「赤ベコかまとと早急便」
- 作演出 蓮行
2003年6月
- 劇団衛星
- 「劇団衛星のコックピット」
- 作演出 蓮行
2004年6月
- マレビトの会
- 「島式振動器官」
- 作演出 松田正隆
2005年2月
- 近松劇場18
- 「彼氏のそこぢから」
- 作 鈴江俊郎 演出 水沼健
2005年8月
- マレビトの会
- 「王女A」
- 作演出 松田正隆
2006年9月
- マレビトの会
- 「アウトダフェ」
- 作演出 松田正隆
2008年4月
- ユリイカ百貨店
- 「Chocolate horse」
- 作演出 たみお
2009年9月
- KUNIO06
- 『エンジェルス・イン・アメリカ―第1部 至福千年紀が近づく』
- 作 トニー・クシュナー 演出美術 杉原邦生
2013年4月
- トランク企画
- 「choices」
- インプロライブ
2013年6月
- 京都都造形芸術大学 舞台芸術研究センター
- 「ピュラデス」
- 作 ピエル・パオロ・パゾリーニ 構成・演出 川村 毅
2014年11月
- アートスペース無門館—アトリエ劇研開館30周年記念公演
- 「ピエールとリュース」
- 作 ロマン・ロラン 翻訳・脚本 波多野茂彌
演出 あごうさとし
2015年1月
- トリコAプロデュース
- 「赤ずきんちゃん」
- 作・演出 山口茜
2016年3月
- 劇団飛び道具
- 「アルト-橋島編-」
- 作・演出 大内卓
2016年3月
- 南鳥島ロランC局
- 「鉱石」
- 作・演出 藤原康弘
2016年9月
- コンブリ団
- 「カラカラ」
- 作:深津篤史
演出:はせひろいち(劇団ジャブジャブサーキット)
2017年3月
- Monochrome Circus + Kinsei R&D
- 「T/IT:不寛容について」
- 作:深津篤史
演出: 坂本公成、藤本隆行
2017年4月
- Hauptbahnhof
- 「ショー」
- 作:金田一 央紀
演出: 本間広大(ドキドキぼーいず)
2017年10月
- ルドルフ
- 「まつろはぬものの記 −探訪 宇治拾遺物語−」
- 脚本・演出:筒井加寿子
原作:宇治拾遺物語 「滝口道則、術を習ふ事」「石橋の下の蛇の事」
2017年12月
- 東アジア文化都市大邱閉幕式典
- 「物語る機能III―告白」
- 作曲:増田真結
ピアノ演奏:中村圭介/声:田中遊
2018年12月
- 人間座第64回公演
- 「季節はずれの長屋の花見」
- 脚本:吉永 仁郎
演出:山口 浩章
2019年3月
- KAC Performing Arts Program 2018 / Music #2
- 増田真結×田中遊 新音頭『告白』
- 構成:増田真結、田中遊
作曲:増田真結
出演:田中遊 (声)
中村圭介(ピアノ)
山田岳 (ギター)
原作:町田康『告白』
2019年9月
- 関西演劇祭2019参加作品
- 夕暮れ社 弱男ユニット『サンクコストは墓場に立つ(short ver.)』
- 作演出: 村上慎太郎
2019年11月
- 人間座第65回公演
- 「靴を失くして」
- 作:吉村健二
演出:合田団地
2020年1月
- コンブリ団
- 「紙屋悦子の青春」
- 作:松田正隆
演出:はしぐちしん
2022年11月
- 壱劇屋
- 「supermarket!!!」
- 演出:大熊隆太郎
2022年12月
- 人間座創立65周年記念公演
- 「崩れた石垣、のぼる鮭たち」
- 作:土田 英生 演出:松本 徹(カイテイ舎)
- 「T/IT: 不寛容について」
- 監督・照明:藤本隆行 (Kinsei R&D)
2025年1月
- 人間座創立69回公演
- 「赤シャツ」
- 作:マキノノゾミ 演出:高杉征司
映像
- NHK「ほんまもん」「はんなり菊太郎」
- 映画「パッチギ」
<主な受賞歴>
- 第14回関西現代演劇俳優賞受賞
- 第21回OMS戯曲賞 佳作受賞(`13正直者の会.lab公演「夜の素」)